実録「ごんぎつね」 最終回『本当のひとりぼっち』
2006年03月09日 (木) | 編集 |
今日は「ごん」のことだけど、青で書く。
ラストシーンは、青い煙が火縄銃から出てるところで終わるから。

さて、「ごんぎつね」が最終回を迎えた。
前回は、月のいい晩に「ごん」が兵十と加助の後を追っていく場面だった。
どうして、危険をおかしてまで、影法師を踏むくらい近くに「ごん」は近付いていくのか。。。
子供たちはこんな風に言っていました。
「気付いて~~。」「俺のことを考えてよ。兵十」「神様じゃないよ。俺だよ。俺!!」
兵十のあとを追う、もの言わぬ「ごん」は心でこんな風に叫んでいるだろうと子供たちは考えました。

それにしても、これはもうしつこいけれど「愛情」以外のなんでしょう。
「ごんは、兵十が好き。」後ろの方に座ってた女の子が、小さく言った。

そして迎えた最終回だ。
香取は物語の教材の最後のときはいつも、黒板に「最終回」と書く。
今回もそう書いた。
「ごん」は明くる日も栗を持って、兵十の家の裏口から入っていく。
と、、、物置きで縄をなっていた兵十がふと顔をあげる。
すると、家の中から「ごん」が出てくる姿を発見する。
兵十は火縄銃をとり、火薬をつめ、狙いを定めて「どん」と撃つ。
ごんは、ばたりと倒れる。。。。そして、駆け寄った兵十が見たのは、土間に栗が置いてあるのと、ぐったりしている「ごん」だ。

「ごん、おまえだったのか。いつも栗をくれたのは。」
「ごん」は目を閉じたままうなづく。

なんとも言えない場面だ。
ごんは、こんな結末を今日、想像していたんだろうか。今日こそは気付いてね。。。って書いてる子もいた。きっと、「ごん」は幸せな気分で、兵十の家を出たんだろう。
子供たちは、教科書の絵を見て「堂々と出てきてる。」って言ってた。自分のしたことに自信だって持っていただろう「ごん」。

最後の場面は、兵十の気持ちと「ごん」の気持ちの両方を子供たちと考えた。
兵十の気持ちと「ごん」の気持ち、、いつもどおり黒板に書いていく時に不思議なことに気付いた。
「ごん」も「兵十」も「ごめんね。」と言い合う。(もちろん、子供たちの想像の声だが)
ふたりとも、「ありがとう。」って言い合うんだ。
そして、「もし気付いたら、仲良くしたかったのに。。。」「仲良くできたのに。」と言い合う。
ばらばらだった「ひとり」と「ひとり」の心が結ばれた瞬間だ。
ある子が「心がひとつになったんだね。」って言った。

そして、何度も確かめたけれど、子供たちの書いた「ごん」の気持ちには恨みがない。
憎しみもない。
不思議なことにどの子も「これまで、ごめんね。」「ありがとう。」から始まる。
「最後に気付いてもらって、本当によかったよ。」
「やっと、気付いたんだね。兵十。」「嬉しいよ。」「やった~!」と書いてる子もいた。

そして、香取が「あぁ、、、子供たちに負けた。」と思った「ごん」の気持ちは。
「兵十は、生きろよ。」という「ごん」。
それから、「忘れないで!」という子もいたけれど、逆に
「このことは忘れて、幸せになるんだよ。」って書いてる子もいた。

どうして、殺されたのにそんな風に思えるのか。。。香取はほんとに、この時点で負けてる。

そして、子供たちの「兵十」は。。
「ごめんよ。ごめんよ。ごめんよ。」と吹き出しいっぱい書いてる子。
「なんでこんなこと、してしまったんだ。なんで。。。」と自分を責め続ける子。
そして、何人かの子がこんな風に書いていた。
「おれは、おっかあとごんを失って、これで『本当のひとりぼっち』になっちゃったじゃないか。」
本当のひとりぼっち。
兵十は「ひとりぼっち」なんかじゃなかったんだ。これまで。
いつだって「ごん」がいた。
いつだって、そばに「ごん」がいて、見つめ守ってくれていた。

もしも、誰もこのことを言わなかったら、香取が言おうって思ってた。
「ごん」と「兵十」の両方の立場を解るなんて、子供たちにはむずかしいって思ってたから。
だけど、子供たちは兵十にも寄り添う。

「本当のひとりぼっち」という言葉が出た時、教室が張りつめた。

とっておきの香取の話もした。「本当は話さないつもりだったけれど。」と新美南吉の話をした。「でも、これは私の解釈だから、みんなはただ聞くだけでいいよ。そして、またいつか大人になったときに、思い出してみて。」
そして、この最終回の「ごんぎつね」は幕を閉じた。

放課後、掲示物を貼ってた香取のところに女の子が来て言った。
「ごんぎつね。。。おもしろかった。」って。
「本当のひとりぼっち」って言った子だ。


なんか長いんだけど、「ごん」はやっぱりいいやつなのかなと思う。子供たちの「ごん」はストーカーじゃなかった。
香取は「死んで尚、相手の心に生き続けるストーカーの王道だ!」と思ってた。
たとえば、好きな人がいて、その人に彼女がいた時、告白した方がいいか?告白したらその人はきっと困るだろう。だけど、香取は告白するんだ。
だって、その人の中に「自分がいた」ことを残したいから。
そういう香取は、「ごん」もそうだと思ってた。

だけど、「このことは忘れて」と言った子の一言で、そうではないのか。。。とも思った。
じゃぁ、18歳の南吉少年は、誰かの幸せを心から願ってたのか??
どちらにせよ、「ごんぎつね」。
ものすごい物語だ。
いろんな人の解釈を聞いてみたいものです。
コメント
この記事へのコメント
私は、「ごんぎつね」こんなに丁寧に
教えてもらった記憶はない・・・・

香取さんが先生だったら、もっと
勉強、がんばったかも・・・・(^^ゞ
2006/03/09(Thu) 20:21 | URL  | まこりん #mQop/nM.[ 編集]
http://jump.sagasu.in/goto/blog-ranking/で記事がリンクされていたので見にきちゃいました。ブログっておもしろいですねぇ。
2006/03/09(Thu) 21:42 | URL  | izumi #-[ 編集]
あぁぁぁ…ごん…
声を出して泣いちゃったよ~。
そして勝手にトラックバックつけた上に、私のブログで香取ーぬのごんぎつねのことも書いてしまいました。
色んなひとにもごんのこと、改めて読んでほしいから。

深い話なんだね。動物と人間の通いにくい愛情。ペットで飼ってる犬猫と違うから常に向き合っているわけではない。でもごんの健気な気持ちは忘れてはいけないと思う。私もごんのように、駆け引きすることなく、にくったらしいこと言わずに尽くして、そして間違って殺されてもけして恨まない心を持ちたい。
2006/03/09(Thu) 22:19 | URL  | ひろみ #IbEf6Jbs[ 編集]
と、思ったんだけどさ…
逆なんだよね。香取ーぬのブログを私のとこにトラックバックしなくちゃ、私のとこに来た方々にここを見てもらえないじゃん~~~。香取ーぬ、トラックバックして~。
2006/03/09(Thu) 22:27 | URL  | ひろみ #IbEf6Jbs[ 編集]
ありがとね
おはようー。別件でメールチェック朝早くしたら、お姉ちゃんの熱いコメント、ありがとう。夜にトラバさせてもらいますわー。トラバて、時々意味わかんなくなるよね。
2006/03/10(Fri) 06:33 | URL  | 香取 #-[ 編集]
いつも思うんだけど、子供達の解釈って凄いね。
自分も子供の時は、そんなに言葉が膨らんだのかなぁ。。。そんなに感受性豊かだったかなあ。。そんなに、相手の気持ちを考えたかなぁ、、、
思い出せないな。

その気持ちを忘れないで大人になって欲しいね。

・・・で、、華麗なクイズ、分かった?
バカラバカラは、華麗なうわさじゃないよ。
吹き抜けは、豪華なお家にあるもので、
わたしんちには、ないです。。

あ・・・これ合ってるの?
2006/03/10(Fri) 17:29 | URL  | レイ #-[ 編集]
>まこりんさま~
潤くんチケどうでした?って話しちゃうやん。
ありがとうございます。ていねいに。。。っていうか、好きなことにはやっぱり力が入るものですよ。
そんな香取のクラスの子は、ある意味幸せで、ある意味不幸せですよ~。こわいから。。。香取ん。
2006/03/10(Fri) 19:05 | URL  | 香取 #-[ 編集]
>izumiさま
いらっしゃいませ~。ブログはおもしろいですよ~。


>れいやん
完全に、自分の4年生時代とはちゃうよ。負け負けやわ。
そんなこと考えないもん。

でもま、香取は意図的にこっちに持ってきた風はあります。常に「ごん」が何を見ているか、、というのは意識させると、必ず「兵十」に行き着くから。結果。。。こういう思いがふくれあがるのさ。
でもな~。ちょっと「できすぎごん」で香取はなんか、ちょっと納得いっていません。

だから、「華麗なうわさ」やろ?知ってるてさっき、コメントしてきたわ。それは知ってるねん。出だしは「恋の大予言」と間違えてん。だって、あれってAB面じゃなかった?
あれ。。。「上級生」か?
自分で調べろや。
2006/03/10(Fri) 19:09 | URL  | 香取 #-[ 編集]
いのけんです。ブログへのコメントありがとうございます。

けなげにつぐないを続ける「ごん」とそれに気付かない「兵十」。
最後の場面で、二人は分かり合えたのかなぁ?ごんは幸せだったのかなぁ?と考えてしまいます。

2006/03/10(Fri) 23:34 | URL  | いのけん #mQop/nM.[ 編集]
>いのけんさま
コメントありがとうございます。
私は、辛いのはこれから生きていかなければならない兵十だと思っています。自分の罪に対峙しながら。

新美南吉の草稿が「ごんは、うれしくなりました。」と終わっているように、ごんは成就しているんじゃないか。。。と。

いのけん先生のクラスの子供たちは、最後の場面でどんな考えをもたれましたか?
うちは、なんといっても普通に道路をキタキツネくんの歩いている北海道なんでこんな感覚かもしれません。
また教えて下さると嬉しいです。
2006/03/10(Fri) 23:42 | URL  | 香取 #-[ 編集]
ごんぎつね終わりました。
学習発表でげきをしたのですけど、
とてもよかったです・・・。
ステージを使わず、
下の体育館の面を花道のような道にする。
対角線上にスポットライトをおいてあてる。
だから、子どもたちは四面から見られる。
ああ、わかりずらい・・。まあ、ライト、プロジェクト、大道具小道具を使った演出・・。

子どもはほぼ全部、そのパートを暗記しました。クラス一人はあいさつもふくめ、何かを話伝えたし、100点満点の演劇になりました。

ごんが打たれた瞬間、ライトを消すんですね。
「ドン」の瞬間に・・。
見ていた三年生から、「ひどい!」って声が・・。この言葉に「よし、いいげきになった。」と心の中でガッツポーズ。

「お前ら100点満点だー」「やったー」と終わった後、ドッジをしました。四年生の思い出がつよくのこったかな?なんだか、ぼくらしくない、あつい、学習発表になってしまいました。

最後は二分の一成人式で決めます。
2006/03/11(Sat) 13:43 | URL  | ながたく #-[ 編集]
>
あ。。。ながたくくん
がんばってますね~。ながたくさんも。コメントありがとう。

香取も「ごん」はミュージカルしたことあるよ。ものすごくすてきな曲のついた台本もってます。もし必要ならお譲りしますよ。(出版もとがわからない)いいんかいな、こんなこと書いて。

兵十はひどいんだけど、、、、
ひどいんだけど、にぶくてぼんやりしてて、愛すべき人なんだ。
だから、ごんは守ってあげたかったんだよね。兵十のこと。
「大丈夫かな?」「寂しい思いしなかったかな。。。」って。

とまぁ、子供たちと「ごん」やると、自分の性格の曲がってるところが非常に明らかになってきて、なんかやですね~。

ながたくさんも、また遊びにきてね。
香取も行くね。
2006/03/11(Sat) 16:51 | URL  | 香取 #-[ 編集]
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2006/03/09(Thu) 22:14:33 |  むらさき綴り