行列の中を歩いていると
2013年12月08日 (日) | 編集 |
何か忘れ物してるんじゃないの。

そんなことを想った昨日のニュース速報。

相葉ちゃん主演の「燕のいる駅」を見たとき、私、泣いたんだった。

「行列の中を歩いていると
 自分がどこを歩いているのかわからなくなるよ。」

岩崎ひろみさんのこの台詞に。
ニュース速報が入ったとき、心臓がばくばくした。
道路を走っていて、小石がフロントガラスに飛んできても、簡単に割れたりなんかしない。
ちょっと小さな傷かなんかがついたり、小さなひびが入っても、ちょっと修理しとけばあと何年かはもつ。
気になるけれど、気にしない。。。

そんな感じで、小さいことから目をそらしたりしてると、生きるのは楽だよね。

相葉ちゃんがやったお芝居「燕のいる駅」の高島くんは、そんな青年でした。
2085年。
第3次世界大戦が終わって、日本中が放射能で侵されて、防護服を着なければ外に出られない時代。
レトロな雰囲気に駅を飾っている高島駅長。
大好きな女の子は売店で働いている。
ふたりは駅に今年も燕がやってきて、巣を作ってひながかえったことに朝から大喜びをしてる。
「ぼくは、あのひなのお兄さんになるんだ。」と相葉ちゃん扮する高島駅長は嬉しそうに言う。
その日は朝から、隣の駅の上空にパンダの形をした不思議な雲が浮かんでる。
そして、その日はいつもと違って電車の運行ダイヤが乱れている。各駅しか止まらないその駅に、今日はお客さんがいっぱい降りてくる。
その中には、卒業旅行の大学生や、遠くまで出張に出かけるサラリーマン。。。みんなそれぞれが先を急いでいるのに、その日に限って次の電車がいっこうにこない。
高島駅長はとても焦っているし、売店は大忙しになっている。
そこに刑務所に入れられている弟に会いに行く女性がやってくる。国の政治に反対して、収容されようとした外国人を助けようとしたことで、彼女の弟は逮捕されてしまったのだ。
それから、久しぶりに幼なじみの青年も彼を訪ねてくる。こんなに忙しい日なので、なかなか時間をとって彼と話すことができない高島。

やっとその日最終の電車が到着する。
とにかく今日の電車はこれで終わりなんです。とにかく乗ってください。とにかく隣の町までは運行しますからとお客さんを全員乗せ、大好きな女の子にも、隣町までおつかいにいってもらって、
やっと、幼なじみの友人と話せる時間が出来た高島に、彼は言います。
「おれ、強制収容所に入ることになったんだ。」
友人はハーフで、その頃の日本は「民族浄化」を実行しようとしていたのです。

友人の乗るバスを見送った高島は、大切な友人を取り巻く状況を知ろうとしなかった自分を悔い責めます。

そのとき、駅に電話が入ります。
日本に戦争が始まったというのです。
その日の朝から、隣の駅の上空に浮かんでいたのは、原子爆弾だというのです。
高島は、何も考えずに隣の駅への電車にお客さんを乗せてしまったこと、そして大好きな女の子を隣町へ買い物にいかせてしまっていたのです。

もっと早く自分が知ろうとしていたら
もっと深く自分が世の中のことを知る努力をしていたら、、、と攻め続けます。
そこへ、電車に乗らなかった岩崎ひろみさん扮する女性が戻ってきます。

「私、よく弟に言われていたの。
 行列の中を歩いているとね、自分がどこを歩いているのかわからなくなるよ。お姉ちゃん!って。」

ラストシーンは、駅の軒先につくられた燕の巣から落とされたひなを高島が抱く。。。そんな悲しいシーンでした。

相葉ちゃんがやったことでたまたま見に行った舞台でしたが、ものすごく心に焼き付いています。
今でも、岩崎ひろみさんの台詞が、熱く重い声が、胸の奥の方に残っています。

そして、ときどき自分が行列の中を歩いていないかどうか考えます。
おそらく、歩いているんだと思います。
だって、可決されるまでの色々な事を、私はほとんど関心なく、毎日楽しくおかしく生きていましたから。

たとえば、アンネフランクの一家がなぜ国外に逃げずに、オランダに残り「隠れる」ことでなんとかなると想っていたのか。
あの賢明なフランク家でも予想できないほど、国は静かにとても巧みに、世界を変えようとしていたからでしょう。何も突然始まるんではないんだと想います。

「可決されました」という、心臓が痛くなるようなニュースのあとに、ほっとするような楽しいニュースが流れる。
ちょっと、ほっとする。
うまいことおもしろいコマーシャルなんか入ったら、もう忘れちゃう。
チャンネルを変えて、おもしろおかしい番組を見ちゃう。

自分の国や、自分の国の「国歌」に誇りをもてないまま私はここ10年以上います。
それでも、アメリカにいるときは本当に日本に帰りたかったな。
(アメリカも怪しい国やしな。)

ちゃんとしなきゃ。
どうしていいのかわからにけれど、ちゃんとしよう。しっかりしよう。
ちゃんと知ろう。
行列からそっと離れよう。
そっと離れたい。
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