日本に戻ってきた香取とたろうが嵐を想い綴る「なまけ日記」
春に
2012年01月22日 (日) | 編集 |
「喜びだ
 しかし、悲しみでもある
 苛立ちだ
 しかも、安らぎがある
 憧れだ
 そして、怒りが溢れている


 あの空のあの青に
 手を浸したい
 まだ会ったことのない全ての人と
 会ってみたい
 話してみたい

 明日と明後日が一度にくるといい
 ぼくはもどかしい

 地平線の彼方へ歩き続けたい
 そのくせ じっとしていたい
 この草の上でじっとしていたい
 声にならない叫びとなってこみあげる

 この気持ちはなんだろう」

大好きな大好きな詩。
谷川俊太郎さんの「春に」



私の大学は、中高の音楽の免許しかとれないからって、がんばって通信で小学校の免許をとって、ず~~~っと小学校の先生をやってきた。

そんな私が、去年の春から中学生の音楽を教えている。
本職のはずなのに、なんだか気恥ずかしくむずかしく、
だけど、
ものすごく繊細な作業です。

中学生ってどんな子達なんだろうってこわかった。
もしかして、香取の言う事なんて「ふんっ」って言うようなそんな子達なのかしら。
口答えとかするのかな。
私の適当な授業なんて、受験勉強しちゃって聞いてくれなかったりするのかも。

出会ったとき
ずっとアメリカで練習し続けてたOVER THE RAINBOWを聞いてもらった。
何にも言わなかったけれど、張り詰めた空気の中で弾かせてくれた。

学校祭の前には
ある楽器を巡って、女の子が二人対立した。
いや、対立なんかじゃないな、ふたりともその楽器を大好きで、そしてどうしてもそれを演奏したかったの。
じゃぁ、1週間あげるから練習してみて。。。そう言って、香取はふたりに楽譜を渡した。

一人の子は、初めてその楽器を触るという子。
もうひとりは以前にやったことがあるから、楽譜を見たら初見でも弾けるという器用な子。

ところが、ふたりとも放課後ずっと音楽室にいる。
そして代わりばんこに練習して、そして教え合って、それでもふたりとも譲ろうとしなかった。
私は、失礼なことに片方の子はギブアップすると想ってた。だから、「やってみて」なんて軽い気持ちで楽譜を渡した。
だけど、その子は毎日毎日音楽室に通ってきて、そしてとうとう約束の日には演奏ができるようになってた。

明らかに、後者の女の子の方がとっても上手で、とっても上手なんだけれど私はどうしても選ぶことができなくなってしまった。
初めて楽器を触ったという彼女は、私の前で1週間ぶりに聞かせてくれるとき、ちょっぴりしっぱいしてスティックを飛ばして、そして最後には泣き崩れた。

ふたりを前にして、私は謝った。
ごめんね。こんな想いをさせて。
私には選ぶことはできない。本当にごめんなさい。
め~~ったに子供っちの前で泣かない私が、泣いてごめんなさいって言った。
そして、ふたりで交代で演奏してもらうことにした。

失敗しちゃった女の子は、もうひとりの子に
「私が半分やらせてもらっていいの?よろしくお願いします。」って頭を下げた。
もうひとりの子は、お母さんに
「あら、最後の学校祭でふたつも楽器の演奏ができるなんてすてきじゃない?」って言ってもらって(ふたりで交代で、二種類の楽器を演奏することにしたの。)
「だいじょうぶだよ。」って笑ってた。

傍で見てたふたりのクラスメートの子が、私に
「先生が、いちばん辛いね。」って言った。

私はまだその時、半分以上アメリカ人入ってたから、ふたりの15歳の女の子に「ハグさせて」ってぎゅってさせてもらった。

谷川俊太郎さんの「春に」を聞いていると
15歳の子達にしか歌えない歌だと想う。
研ぎ澄まされてて
不安定で
飛びっきり優しくて
計算が無くて
心からの想いがあって
その表現の術を知らない子供達。

その旅立ちの、最後に一緒に歌う歌を今、選んでいます。
いくつか選んでいるので、彼らがこの曲を選ぶかどうかはわからないけれど

確実に
ここで私が出会った中学生は、まるで「春に」の詩のような子達だった。

今、受験生として毎日がんばってる彼ら。
笑ってるけれど、きっと大人にはわからないような不安を心に抱いているんだろうな。
「がんばって」とか、そんな軽々しい言葉はもう口にできないから、その背中にエールを送るくらいの香取です。

「この気持ちはなんだろう。
 この気持ちはなんだろう。
 僕の腹へ 胸へ
 そして、のどへ 
 声にならない叫びとなって
 こみあげるこの気持ちはなんだろう」
コメント
この記事へのコメント
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2012/01/23(Mon) 01:33 |   |  #[ 編集]
すっかり振られました。
>ヒミツのSさん
コメントありがとうございます。

春の日に。
子供達には今ひとつで、全然別の曲を選ばれてしまった。爆!

中学生は、自分できっと子供なのか大人なのか
認めて欲しいし甘えたいし、
自立したいし、どの方向にいけばいいのかわからないし
だから、不安定でちょっと反抗したり、黙っちゃったりするんでしょうね。

あぁ、「春に」歌いたかったな~。
。。。ってぶつぶつ言いながら、今日も授業をしてました。爆!
お仕事がんばりましょうね、
このお仕事は、きっときっと尊い仕事です。
2012/01/24(Tue) 20:47 | URL  | 香取 #-[ 編集]
香取さん、こんにちは♪
今年も宜しくお願いします(遅ッ!)

胸に沁みるお話…

有難うございます♪
2012/01/26(Thu) 11:49 | URL  | ayamisa #-[ 編集]
うわ、違うコメント
>ayamisaさん
あ、、、ごめんなさい。翔ちゃんのところのコメントと間違えてレスしちゃいました。
管理画面からコメントのみを拝見して、お返事したので、、、まちがっちゃった。

読んでくださってありがとう。
しかし「春に」はすっかり振られてしまった。
中学生には中学生の思いがあるようです。
そして、きっと「春に」は大人から見た中学生なんだろうな~。
その混沌とした世界にいる彼らには、わからんのだろ~よ!

今後ともよろしくお願いいたします。
2012/01/28(Sat) 23:08 | URL  | 香取 #-[ 編集]
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック