日本に戻ってきた香取とたろうが嵐を想い綴る「なまけ日記」
千里さんと被爆ピアノ
2010年09月14日 (火) | 編集 |
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アメリカに来てから、私には夢がありました。
それは、憧れの大江千里さんとどこかでばったり出会うこと。

2年が過ぎても、なかなか出会えなかった。
ときどきお芝居なんかを同じ日に見ていたりするのに、出会うことはできなかった2年間。
その夢が叶いました。

そして、何より広島からニューヨークにやってきた「被爆ピアノ」を彼が弾かれる。それを聞くことができるという奇跡的なことが起こりました。

この親鸞聖人の像は、ハドソン川を見下ろしながら、ニューヨークの105stのお寺に立っています。彼も、広島に原子爆弾が落とされた日、それを広島で見ていた人。被爆した人。
親鸞聖人の像と被爆ピアノの出会いです。
写真は、リハ中の千里さんとナレーターの飯島晶子さん。
まずは、「被爆ピアノ」のことを。
このピアノは、太平洋戦争中に広島のあるお宅で大事にされていたもの。
あの惨状となった広島で生き残り、その街の復活を静かに見守ってきたピアノです。
戦後、持ち主の方がある調律師さんに託します。
広島の調律師さん、矢川光則さんはこのピアノを全解体し、すべて悪いところは修復し、再び甦らせたのです。
そして、このピアノは10年前から「被爆ピアノ」として数々のコンサートで、その音色を奏でてきました。

この日は小雨がぱらついていました。
最初はこの親鸞聖人の傍にピアノを置いて、野外でのコンサートが企画されていたのですが、雨が降ってきたためにお寺の礼拝堂で行われることになりました。

そして、この親鸞聖人の像。
広島に原爆が投下されたときも、それを丘の上でずっと見ていたのだそうです。
そして、9年前。
彼は上空を飛ぶ2機の飛行機を見て、そしてニューヨークで起こったあの恐ろしいテロを、また見ることになったのだそうです。
何も言わない彼ですが、広島で、そしてニューヨークで犠牲になった幾万もの魂を鎮めようと、そこに力強く立っているように思えます。(ご存じの通り、香取にとって実はこの大きさの人間の像は、、、私にとって怖さの限界でして。。。これ以上に大きかったらあかん。)

そんなたくさんの優しい気持ちと一緒に、被爆ピアノは大切に大切に、ニューヨークに届きました。

外で煙草を吸っていらっしゃる千里さんに、ちょうど、上の写真のリハのあと話しかけました。
「とても、いい音ですね。とてもお年寄りのピアノとは思えないですね。」って。
「素晴らしい調律師さんに、大切にされてきたからですよね。」っておっしゃっていました。

千里さん、、、って書くけれど、ついこの間まで私にとって彼は「千里」だったのだ。
実は、昔の友人が彼のマネージャーをしていて、デビュー前に
「大江千里、今度デビューすんねん。めっちゃええで。」ってカセットテープをもらった20年以上前。大学生の頃でした。当時、千里さんは関学を卒業したばかりの、めっちゃ洗練された神戸ボーイ?でした。

その後、私はすぐに北海道に来ちゃって、その友人とも再会することもなかったのですが、あるとき飛行機の中で「フレンド」という千里さんの曲を聴いて、それから大好きになってアルバムも買うようになりました。
まだまだ、レコードの時代でした。
いつしか、ジャニオタになりすっかり彼のことを忘れておりましたが、引っ越してきてCDを棚に入れているとき、ふと「千里って今、何やってるんだろう。」って思い、彼の名前で検索しました。
アメリカに来たばかりの夜でした。

彼は現在、プロとしての音楽活動を休業して、ニューヨークでジャズのお勉強をしているということを知りました。驚きました。彼がすぐ傍で生きていて、そして私もニューヨークで絶対にジャズピアノを習うんだ、、、って思っていた、その同じジャズピアノを志して彼がここで生きている。(全然、格はちゃうけどね)
現在は、どこかの厳しい学校のジャズ科でピアノを専攻していらっしゃるようです。

今はもう学生として、、、だけど、香取よりいっこ上なだけだよ。。。すごいって思う。
いつも彼のブログを読んでいてすごいと思うんだ。だって、英語で理論を頭にたたき込む。。。今まで日本語でやってきた音楽の理論を英語で入れ直すって並大抵じゃない。いくつもの試験をこなしていく彼の生活をちょっと覗かせてもらいながら、いつもすごいな~すごいな~って思うばかりでした。
そして、きっとアメリカにいる間に、どこかの街ですれ違うんだ。。地下鉄の中でばったり出会えるんだって思っていました。

彼は一切のプロとしての音楽活動を現在はされていません。ジャズのお勉強をされて、お友達とセッションをしたりレコーディングをされたりしているみたいだけれど、私達のような一般人は彼の音楽に触れることは、ここアメリカでも、これまで一度もなかったです。

どこかで彼が弾くのなら、どこへだって行くぞってスタンバって2年半。
ふと覗いたブログで「明日、被爆ピアノコンサートに出ます。」って彼からの告知。

そして、やっと会えました。
2時間も前に行って(ジャニオタなんで、早めに行っちゃうんだよね。)お寺の前の取材の人達しか来ていないところで、ウロウロしていました。中でサービスやってるから入りますか?って言われて、住職さんの説法なんて聞いていました。そしたら、自己紹介を。。。みたいなコーナーになっちゃったんで、、、やばい!英語や。めんどくさい~って逃げ出して、その建物を出た瞬間にストリートに立っていらっしゃる千里さんを見つけました。

実は、もし会えたら、絶対に千里さんと話そうって心に決めていました。
これはラストチャンスのような気がしていました。
コンサートの後でも、彼が弾き終わったら追いかけて、声をかけて、絶対に話がしたい。。。って思っていました。

その千里さんが、目の前に立っていました。
もう何を話しているのかわからなくなっちゃって、自分がどれだけファンか(たいしたことないだろうよ!)、どれくらい前から知ってるか(友達の名前も出して)、私も1ミリくらいジャズの勉強をしていて、いつも千里さんのブログを励みにしているとか。。。必死に話しました。
彼はとってもとっても優しい佇まいで、、、千里ってこういう人だったんだろうか。。。って思うくらい静かな話し方で、とても丁寧に私の話を聞いてくださって、そして答えてくださいました。

2階にお茶の用意があるから、どうぞ。入ってください。。。なんて言われて、ケータリングのお茶をごちそうになってしまったり、リハではむっちゃ見てたり。。。相当うざいファンでした。

そして、彼のピアノ。
被爆ピアノを弾く大江千里さん。

昨日の記事にも書いたのですが、彼がどのような想いを抱きながら、この9,11を迎えているのか。
そのことも、ちょっとだけ話したけれど、彼が何度も何度も書き直した、、、という記事。
皆さんも読んでいただけますか?

週刊ニューヨーク生活今週の記事というところをクリックして、20ページ目です。たぶん、今週いっぱいで消えるんじゃないかな。

彼が今どのような気持ちでここで生活していらっしゃって、どんな想いで「被爆ピアノ」の前に座られたのか。
一切のプロ活動をせずに、自分の深い深いところを抉るように自分を見つける作業をしていらっしゃる今の大江千里さんが、たった一度、みんなの前でピアノを弾く。

その音色。
それは、力強く、とても優しく、ものすごく切なく、
「祈り」のような音でした。

彼が今、どういう立ち位置にいらっしゃるのか、、、というのが、コンサートの終盤よくわかりました。
この「被爆ピアノコンサート」には広島のピアニストさん、ニューヨークで活躍しているピアニストさん、シンガーの方、多くの方が出られました。そして、最後に原田真二くん。(むちゃかっこよかったで。)
広島出身の原田真二君が、広島とニューヨークの歌を歌い上げるとき、コンサートの終盤に出演者がみんなピアノの周りに集まります。。。
だけど、千里さんは最後までずっとそのコンサートを見守っていらっしゃいましたが、その最後の場面には参加されなかったの。
あぁ、この被爆ピアノを彼が弾く、ここに彼が来られたのはスペシャルなことで、私がここで「今の大江千里のピアノ」を聞くことができたのは奇跡に違いないと思いました。

コンサートの後は、みんな写真大会みたいになっていて、千里さんの周りにもたくさん人がいらっしゃったのと、コンサート前にものすごく喋りすぎて握手もしてもらって、もうこれ以上は望んじゃだめだな。。。って思って、千里さんさようなら~って心で言って帰りました。
ほんとは、彼の演奏のすばらしかったことを伝えたかったけれど、
あのね。
あんな場所で、本人を目の前にして何にも言葉なんて出ないよ。

「被爆ピアノ」を前に、まるで覚悟するような面持ちで座られた彼の、その演奏を聴いた後に。

だから、ここで。
届くかどうかわからないけれど、千里さんに感謝の気持ちを。

私の奇跡。
そして、彼の心のいっぱいいっぱい詰まったピアノを、ニューヨークの片隅で聞くことができたこと、、、感謝の気持ちでいっぱいです。
千里さんが、どれだけピアノという生き物を大切に大切に思われているのか、わかりました。
そして、
音楽の力の素晴らしさ。

11日にWTCに行ったあと、実はブルーノートでカウントべーシージャズオーケストラの演奏を聴いてきた。まるで9,11なんてなかったみたいに、当たり前のニューヨークの夜。
誰もが望んでいるニューヨークの夜はこんな感じ。
その音楽を聴きながら、自分の中で狂っていた音がぴーんと、、、直されていく感じがしました。

そして、被爆ピアノ。
辛いことも悲しいことも見てきたはずなのに尚、今、人の心をほぐし温め、そして支え続ける音。
被爆したときに刺さった硝子のせいで、傷だらけのピアノが、音楽を愛する人達の手で甦る。

音楽は、人間が生きていくのに絶対的に必要で
何より尊い
人間が生み出した最高の芸術だ、、、そう思います。

千里さんのその日のツィッターに、「今日のコンサートの主役は、調律師の矢川光則さんだったと思います。」と一言書かれていました。
そして、人生でこんなに疲れたことはないって書かれていた。
お疲れ様、千里さん。
また、聞かせてください。
そのピアノの音。
いつの日か。

senrisan.jpg

被爆ピアノを写メする千里さんの後ろ姿。
コメント
この記事へのコメント
昨日は千里さんに会えてよかったですね~って
脳天気なコメント書いてしまいましたが^^;
こんなに奇跡のような一日だったんですね。

被爆ピアノの話、初めて聞きました。
被爆ピアノがニューヨークにやってきて
この場所で千里さんがピアノを弾いて
それを香取さんが聞けて
積もる話もできて・・・

本当に神様が見ていてくださったんですね。
2010/09/14(Tue) 11:20 | URL  | くーこ #-[ 編集]
じわ~りじわ~り
>くーこさん
今日も被爆ピアノはニューヨークの色々なところで、演奏されているみたいですよ。

私も昨日は脳天気に、大喜びだったんですが。。。。コンサートが進むにつれ、そして最後まで千里さんが後ろに座ってピアノの音を聞いていらっしゃったのを拝見して、
それから、彼が出演者の輪に入らなかった、その姿を拝見して、これはただ事じゃないぞ、、、って思いました。
それで、1日ゆっくり頭を整理して、やっと記事を書きました。

彼はナレーターの方のお話の音楽と
たった1曲短い曲を弾かれました。

昔は、ほら、トレンディドラマとかにも出てた人でしたよね?そういえば。
そういうことを全てどこかに置いてきたような、ピアノに誠実に向き合うきれいな人という感じがしました。
あぁ、この気持ちこそ、、、伝えたかった。爆!つもり話なんて私が勝手にしただけで、全然ですよ。一方的に話しかけた、しかもコンサート前に。。。すごく反省しているのです。
でも、私にとっては奇跡だったのですよ~。
2010/09/14(Tue) 12:00 | URL  | 香取 #-[ 編集]
香取さん、はじめまして。

以前、たまたま千里さんのことを書かれてる記事を見つけてから、時々拝見させていただいております。

偶然にも私も嵐ファンでしたので、勝手に嬉しくなってしまったのです。

久々に千里さんの記事だ!と思ってワクワクしながら見ると、なんとも素晴らしい出来事が!!


被爆ピアノと千里さんのお写真。見せて頂けて本当に感謝です。
香取さんと千里さんのやりとりも自分のことのように緊張しながら読ませて頂きました。

優しい佇まいに静かな話し方・・・。素敵ですね。

奇跡なおすそわけ、本当にありがとうございました。







2010/09/15(Wed) 02:38 | URL  | ひーぽん #-[ 編集]
いらっしゃいませ~!
>ひーぽんさま
コメントありがとうございます。
千里さんのファンでいらっしゃいますか?
私なんて、たいしたファンでもないのですが、同世代でデビューのちょっと前から知っているので、なんとなくずっと「どうしてらっしゃるのかな?」という方でした。
きっと一時代はアイドルのようにお仕事されていたはずです。そして、今「祈り」のようなピアノを弾かれる。千里、、、っていうと、ピアノだけど、昔よりもっともっとピアノを愛していらっしゃるんだろうな。。。と考えました。

写真、、できるだけお顔が映らないように工夫して撮りました。ちょっと反則ですよね。ここに載っけちゃうの。こっそりです。

そして、最後の写メしていらっしゃるところは、「きっとブログに載せるんだ!」って思って、こっそり後ろ姿を撮らせてもらいました。

私が千里さんに会えたのは、私にとって奇跡だけれど、
彼が被爆ピアノに出会って、きっとピアノから力をもらって演奏をされた、、、ということが、何より奇跡なんだと思います。
お裾分けできて、とても光栄です。また遊びに来てくださいね~。
2010/09/15(Wed) 06:29 | URL  | 香取 #-[ 編集]
レスいただきまして、ありがとうございます!

私が千里さんのファンになったのは最近なんですよ。
ずっと嵐ファンですので(*^_^*)

千里さんは、高校生の頃、友達にCDを借りて「いいな~」って思うくらいでした。一度だけコンサートに行ったことあります♪

何故か最近ふと思い出し、その後の千里さんをどんどん知るほどに大好きになってしまったのです。

いつかまたコンサートに行ってみたいです。
2010/09/15(Wed) 15:02 | URL  | ひーぽん #-[ 編集]
いつの日か
>ひーぽんさん
私もコンサートは一度だけ。。。
しかも田舎の市民会館だったので、、、お客さん少ない~ごめんなさい~って感じのコンサートでした。

きっと、アメリカを旅され、自分と向き合われ、自分を深く深く知られ、、、
これまでとは違った千里さんとなって、私達の目の前に戻ってきてくれるのかな?って思います。

でも、、これ、ヒミツだけど。。。爆!いやヒミツじゃないかも?
「いずれは、日本に戻られますか?」って聞いたら(これね。。。在米邦人はよく話す会話。。。)
「今はまだ、何も考えていないんですよ。」っておっしゃっていました。

あぁ、もっともっと話したかったな~。
いつか、ハートフルな彼のピアノ、もう一度聞きたいですね。
2010/09/15(Wed) 20:06 | URL  | 香取 #-[ 編集]
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