東京に引っ越してきた香取とたろうが嵐とジャニーズへの想い綴る「なまけ日記」
The greatest legendary pianist CECIL TAYLOR!!
2008年11月11日 (火) | 編集 |
vangeard1.jpg

「結果!意外と安全。。。なのに、僕出してもらえへんかった。。。」(byこた in katorin's bag)

行きました。行けました。行ってきました!
the Village Vanguard!
その名前を何度聞き、何度口にしたか。
ジャズクラブの殿堂ヴィレッジバンガード。

そして、伝説のジャズピアニスト「セシル、テイラー」に会えました。
長く生きているといいことがあるもんだね。
セシルテイラーに会えるなんて。
彼の演奏を聴く事ができるなんて。
マンハッタンはまさに宝箱です。
タイムズスクエアから、地下鉄1、2、3番でDowntownへ降ります。ライン1、2、3は比較的上品な地下鉄。まぁ大阪でゆうたら、御堂筋線って感じでしょうか?

タイムズスクエアの「吉牛」で腹ごしらえをして(なんでやねん!!)、地下鉄に乗りました。「14st」で降ります。
ヴィレッジバンガードは11stにあるので、出口を間違えると、外を歩かなければならない。。。危険な街かもしれないので、地下鉄の構内でできるだけ近いストリートまで移動。
12stのExitから出て、11stを探しました。
たぶんこっちだろう?という家族のカンを信じて歩き始めると、そこには幾度か写真で見た事のある赤いネオンが。。。
Vnguardとあります。
ここだ。。。。どのジャズプレイヤーも演奏した場所。
こここそ伝説の場所。
ジャズミュージックの歴史的瞬間が作られて来た場所。
ヴィレッジバンガード!!夢のようです。

入口は小さな扉でした。
その小さな扉を開けると、係の方に「resarvation?」と聞かれました。
「Yes」と答えていよいよ中へ。
憧れの場所です。

中は思った以上に広い、そして薄暗い場所。
たくさんの椅子とテーブルが置かれています。
そして奥に小さいステージ、スタインウェイのピアノの鍵盤がこっちを向いています。
あぁ、これを弾くんだね。セシルテイラーは。
そして、ドラムセット。
本日はピアノ&パーカスのライブなのである。

スタートは9時。
チケット35ドルに、ドリンクが10ドル分インクルードされています。私は帰りの車の運転があるのでジンジャエール。(お隣の方のオーダーしたクランベリージュースが気になった!)

vangeard2.jpg

壁には往年のジャズプレイヤー達の写真が飾られています。
ジョンコルトレーン、セロニアスモンク、ビルエバンス。。。。何度もレコードジャケットで見た顔ぶれです。
もう何年も前、何十年も前に、実際に彼らがここで演奏したのかと思うと、不思議な気分になります。例えば、帝国劇場では、過去そこで演じられた役者さんの息吹のようなものが感じられます。歴史のある劇場ですから。。。
そして、ここも。
私や大学時代の仲間達が、目を閉じて拳を握って聞いて来たジャズ。。。それが、ここで実際に奏でられていたんだ、、、と思うと鳥肌が立ってきます。

9時を過ぎた頃、扉が開いて小柄な黒人男性が鞄をもって入ってきました。
すごいオーラです。
セシルテイラーなんて、写真でしか見たこともないけれど、あぁ彼だ。。。一目で分かります。だって、ものすごいオーラが放たれているのですから。

彼はジャズ界の中でもアバンギャルド(このコトバ、大学の仲間内でめっちゃ流行っていた)「前衛派」と呼ばれるピアニストです。そして、何度か見た事のある、若い彼の写真のごとく、その出で立ちもめっちゃサイケ~~~!!って感じです。
素敵な皮のコートで登場。。。
客席をちらっと見て、楽屋へと消えて行きました。

待つ事10分。
いよいよ、手に楽譜の束を持ったセシルテイラーが姿を現しました。
茶色のストライプのシャツにかっこよくベルトをして、彼はスタインウエェイに向かって颯爽と歩いて行きます。
もうきっと70を過ぎたおじいさまです。
だって、香取のもっているCDは1958年の録音、当時彼は25歳。

彼の演奏は、当時はものすごくアバンギャルドでした。
激しいピアノタッチ、そこには規則があるのかないのか、、、全ての規則を追い払った演奏。鍵盤の全てを使い、指を拳をつかい演奏されているだろう、、、、どちらかというと、よっぽどの通か、よっぽどの知ったかぶりしか聴かないような曲です。
クラシックで言えば、現代曲。
理解しがたく、複雑な演奏。
私も「セシテイラーがいいよ。」なんて言っている通の友人に教えられ、聴いたけれど「う===ん。。。なんじゃこりゃ?」でした。
まさに、新しい世界を切り拓き闘ってきたピアニスト。

さて、あれから50年近い時間を経て、彼の演奏はどうなっているのかしら?
円熟してしっとりしてたりなんかして??と、多少の期待もしていましたが。

とんでもはっぷん。歩いて五分です!!(どんだけ昭和の表現やねん。)
変わらぬセシルテイラーがそこにいました。
彼はおもむろに楽譜の束の中から、1枚の紙切れを引っ張りだしピアノの譜面台に置きました。なにそれ?楽譜?いや縦書きでなんか書いてるし、折り目とか破れてたり、、、ぼろぼろやんか?それ、なに?
そんなことを思っていると、、、突如始まる演奏。
激しく弾く、叩く、、、、指で、拳で、、、鍵盤の端から端まで、彼の指が腕が飛び回っています。うわ、、、出たよ。セシルテイラーだよ。。。
ドラムスの方は、ときおりセシルテイラーを見て、アイコンタクトを取っている。
どんな打ち合わせがそこにあんねん。
そして、そのぼろぼろの紙切れにはきっと何かヒミツがあるのか?

いつ始まりいつ終わるのか?
しかし、始まった演奏はどんどんと突っ走って行く。
「意味わかんない」日本の小学生が聴いたらそんなコトバが飛んできそう。
いや、ほんと。
意味があるのか、作られているのか?
この音楽はどうやって生まれて来るのか?
今生まれたのか、もう生まれていたのか。。。ほんと意味不明な、でも70のおじいさまとは思えない、そこにはパワフル、ソウルフル。。。。そして彼のスピリッツが強い光のように私達の心臓を刺してくる。。。

セシルテイラーは、同じようにあと2回、、、楽譜の束から、ぼろぼろの紙を出し、また突然に弾き始め急に終わり。。。
立ち上がって客席を見回し、ちょっとだけ笑って、遠くのお客さんの前をゆっくりと歩いて楽屋へと消えて行きました。
もう10時半を過ぎていました。1時間以上、ノンストップの演奏でした。

私は。ちゃっかりサインなんてもらおうと油性マジックなど持っていましたが、とてもとても出せない。とてもとても話しかけられない、とてもじゃないけれど同じレベルの人間に思えない。
もっと高い所にいる人間。

新しい世界を切り拓くためには、そこに戦いがあったことでしょう。
ジョンコルトレーンが、エリックドルフィーが、そしてブッカーリトルが、、、皆なくなってから世の中に認められて来たように、彼にも長く暗いトンネルのような、聴衆に受け入れられない時代もあったでしょう。
たしかに、今でも受け入れられとんのか?って感もなきにしもあらず。

しかし、かっこいい。
70超えた方が演奏しているとは想像もつかないような迫力だ。
これだけ弾くには、今も日々ものすごく練習しているに違いない。
闘ってるな。。。この人。
すごいな。。。セシルテイラー。
小柄で、タイムズスクエアなんて歩いていたら、ちょっと飛ばされてしまいそうな、、、顔は温和なおじさま。
けど、超かっこいい。
その人生を身体から絞り出すように表現する、その魔法のような腕、指。。。
あぁ、、、かっこよかった。興奮した。
隣のおじさんは寝ていた。
向かいの家族は笑ってた。(失礼だから、何度もにらんでやったぜ。そのうち帰った。)

私だってほんの数%しか理解してない、、もしかしたら理解度0%かも。
だけど、彼の魂を魅せてもらったから、so exited!だった。

そして。。。。
すっかり味を占めた香取。
12月のブルーノートのスケジュールに、マッコイタイナーの名前を発見!
またもや説得の日々がスタートだ!
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック